私たちが日々つくっている「撥(バチ)」

太鼓を演奏するうえで欠かせない道具ですが、そもそもこの「バチ」という言葉、どこから来たものなのでしょうか?

実は「バチ」という語は、いくつかの由来があるとされています

もっとも有力なのは、打つ音や擬音に由来する説

太鼓や三味線を打ったときの「バチン!」という音が語源になり、そこから打楽器を叩く道具全般を「バチ」と呼ぶようになったと考えられています

また、漢字の「撥(バチ)」という字は、「はじく・打つ」などの動きを意味する文字

この字はもともと弦楽器のピックのようなものや、撥ねる動きに使われており、それが太鼓の世界でも使われるようになったという説もあります

おもしろいことに、関西地方では「バチ」のことを「サオ」と呼ぶ地域もあります

これは、木の棒という意味が残っている呼び方で、演奏スタイルや文化とともに地域で呼び名が変わるのも、日本の太鼓文化の魅力のひとつです

わたしたち川合木工所が作るのは、音を鳴らすための道具であると同時に、人と太鼓とをつなぐ“手の延長”のような存在

だからこそ、「バチ」という言葉の由来を知ることも、太鼓を大切に叩く第一歩かもしれません