夏祭りの季節がやってきました
太鼓の音が遠くから響いてくると、なぜだか心がざわざわして、夏の匂いを一層強く感じます
私たち川合木工所では、春先から少しずつ準備してきた“祭り用バチ”が、いよいよ出荷の最盛期を迎えています
西へ、東へ――各地の祭りへと旅立つバチたちは、今この瞬間も私たちの手でひとつひとつ丁寧に削られています
しかし今年の夏も、本当に暑い
木の粉が舞う工場の中は、まるで蒸し風呂のような暑さになることもしばしば
それでも、私たちは手を止めません
なぜなら、このバチを楽しみにしてくれている人たちが、全国にたくさんいることを知っているからです
「このバチがないと、あの音が出せない」
「子どもの頃から、祭りのときはいつもここのバチを使ってる」
そんな声に、何度励まされてきたかわかりません
バチは、ただの木の棒ではありません
太鼓とバチが出会うことで、鼓動のような音が生まれ
その音が祭りの熱気をつくり、人の心を躍らせていく
私たちの削ったバチが、そんな“熱い音”の始まりになっているとしたら――
こんなに嬉しいことはありません
まもなく秋祭りも始まります
この夏を乗り越えて、また来年も、誰かの“夏の記憶”に残るバチを届けられるように。
今日も、私たちは暑さに負けず、一本一本を削り続けています




