太鼓を叩いていて

「バチが欠けた…」「折れた…」という経験、ありますよね
ショックですが、実はそれ--悪いことばかりじゃありません
バチは、太鼓より先に“あきらめてくれる”道具です
太鼓の皮や胴を守るために、衝撃を受け止めてくれているんです
言ってしまえば、ちょっとした“身代わり”のような存在です

壊れ方にも個性があります
根元から折れたり、先だけ欠けたり
その跡には、叩き方のクセや力の入れ具合がしっかり残っています
木が「ここは力が強かったよ」とそっと教えてくれるようで
壊れた跡にも学びがあります

そして、壊れたからといって終わりではありません
箸置きや小物に生まれ変わらせる方も多く
木のぬくもりはまだまだ役に立ちます
バチは、太鼓を守り、音を生み
壊れたあとも誰かを支える--
そんな、まっすぐでやさしい道具です